泌尿生殖器科
子宮蓄膿症
中~高齢の雌犬に比較的多く発生する危険性の高い病気です。子宮内の細菌感染が主な原因と考えられ、子宮に膿が溜まります。水を飲む量が増える、元気がない、オリモノが出る(出ない場合もあります)などの症状が出てきます。また、食欲がない、吐く、下痢するなどの症状が出ることもあります。
超音波検査をすることで、液体の貯留した子宮を確認することができます。
治療は手術による卵巣子宮全摘出術です。手術を希望されない場合は抗生剤やホルモン療法による治療もできますが、再発する可能性があります。
以前に比べ、手術による生存率は上がりましたが、依然として危険性の高い病気ですので避妊手術をしていない子達は注意が必要です。
膀胱結石
遺伝が原因の場合もありますが、尿路感染症やフードが原因の場合もあります。また、副腎皮質機能亢進症や糖尿病など他の病気を持っていることで結石ができやすくなります。症状は尿のキレが悪い、頻尿、血尿など肉眼的に分かりやすいです。また、尿が全く出なくなるととても危険な状態ですので直ぐに治療が必要です。
どんな年齢でもみられ、石の種類によって治療法が変わってきます。処方食やお薬で石を溶かすこともできますが、石が大きかったりフードやお薬では溶けない石もあるのでその場合は手術で取り除きます。
手術をした後も再び石ができないよう処方食やお薬でケアしていくことが重要です。
前立腺嚢胞
前立腺内に分泌液の貯留した空間が発生する病気です。その空間に細菌が感染して炎症が起こることもあります。前立腺は加齢とともにホルモンバランスが崩れることで肥大し、それに伴って嚢胞ができることが多いです。そのため、去勢手術によって治ることがあります。去勢手術を行わない場合は、投薬治療が必要ですが、再発することがあります。